Voice to Jicaより 古居さんインタビュー

@の文章…平穏な日常をパレスチナの人々に

 普通のOLだった古居みずえさんが、写真の世界に飛ぴ込んだのは37歳のとき。その翌年に戦火のパレスチナを初めて訪れ、以来18年間、表に出ることの少ない女性たちを追い続けている。
「いつも勢いで突っ走ってきた」と笑顔で語る姿からは、難病を患い絶望のふちに沈んだ過去など想像できない。
 闘争の絶えない土地でどんな逆境にもめげずに強く生きる女性の姿は、常に古居さんのジャーナリスト魂を駆り立ててきた。
彼女たちが望むのは何でもない穏やかな日常‐‐その願いに少しでも応えられれぱと、初めてメガホンを取った
映画「ガーダパレスチナの詩」は若い女性を中心に反響を呼んでいる。「ゴールはない」と小さな体で走り続ける古居さんは今、私たちに「真のパレスチナを知ってほしいと強く訴える。
【ものがたり】
珠玉のドキュメンタリー!


 パレスチナ女性ガーダは、ガザ地区難民キャンプで生まれ育った。ガザ地区南部は古い慣習の残っている地域だ。
 そんな中で、自立心の強いガーダは伝統的な結婚式を拒否しようとし、今までのやり方にこだわる母親や友人、婚約者の母親とぶつかっていく。
 結局、ガーダは結婚式をあげず、花婿のナセルとエジプトに新婚旅行に出かける。1996年ガーダは最初の子、ガイダを出産し、女性として新しい生き方を貫いていく。
 しかし2000年、パレスチナでは第二次抵抗運動が始まる。親戚の男の子カラムの死を目にし、母親として気持ちを揺り動かされる。ガーダは、パレスチナ人としてのアイデンティティーに目覚める。幼い頃、祖母から聞いた故郷の話や歌がガーダの心に蘇り、1948年に追われた話を、祖母年代の女性たちから聞き始める。
 100歳になるハリーマは人生の終末でイスラエル軍によって家を壊され、テント暮らしになる。ガーダはハリーマから土地に根付くパレスチナ人の心意気に魅せられる。イスラエルとの国境に生きるウンム・バシームは農業や放牧を続けている。ガーダはウンム・バシームの生活を自分の故郷ベイトダラスに重ね合わせる。
 ガーダというパレスチナ女性の生き様を通して、いまだに残る古い慣習を浮かび上がらせると同時に、パレスチナの原点を新しい世代につないで行こうと決心する1人の女性の成長を描く。
Voice to Jica より 古居さんインタビュー

Aの文章…「ありのままのパレスチナを知ってほしい」

 37歳のときに首から下が徐々に動かなくなり、原因不明のリウマチと診断されました。1カ月後には歩行器なしでは歩けなくなって、これからは人の手を惜りなければ生きていけないんだと思ったらむなしくて、それまで納得した生き方をしてこなかったことをすごく悔やみました。でも奇跡的に薬が効き回復したんです。それはもう高揚した気分になり「一度きりの人生、何か残したい」って強く思いましたね。そんなとき友人に写真を勧められ、祖父が写真関係の仕事をしていたこともあって、写真を自然と勉強し始めました。
 パレスチナに出会ったのはそれから1年後のこと。ある写真展で、争いが絶えず、過酷な環境にいながら元気に笑う子どもたちの表情に感動し、自分もこういう写真を撮りたいと思いました。そして力メラ片手に単身パレスチナに向かったのです。40歳にして初海外。でも自分は何だってできるという気になっていたので、銃撃戦だろうと何があろうと頑張るぞって意気込んでいました(笑)。
 ヨルダン川西岸のナブルスでは、ある家族と生活を共にし、普段外に出ることの少ない女性が家の中で家族や暮らしを守っていることを初めて知りました。おおらかでたくましく生きる彼女たちに強くひかれ、それ以降は女性に密着した取材を続けています。今年5月には、ピデオカメラで17年間記録してきたバレスチナ女性の姿を一本のドキュメンタリー映画にまとめ劇場公開しました。
 パレスチナというと日本人は戦闘シーンばかりを想像すると思いますが、実際に町を歩いてみると、活気に満ちた市場や勉強に励む学生などありふれた日常があります。それに義理人情の厚さや人の面倒見が良いところなど日本人と似ている部分もたくさんあるんですよ。ただ、パレスチナのことを知る日本人がどれほどいるでしょうか。時にはパレスチナ人みんながテロリストのように伝えられますが、既成のメディアだけに頼らず、真の姿を知ろうとする姿勢を日本の人たちに持ってほしい。
 現在のパレスチナはかってないほどに厳しい状況と言っていいと思います。普通に生活していた人が、ある日突然、家を失うということが平気で起こっています。発電所が破壊され道路は封鎖され、水も満足に使えない。以前はイスラエルヘ出稼きにも行っていましたが今はまったくできず、大学や大学院を出ても雇用機会はありません。そして今年6月に始まったイスラエル軍侵攻で100人以上の犠牲者が出ています。しかも今はそのことがレバノン問題に隠れてしまっている。
 物質的な支援も必要ですが人々は今、この状況を引き起こしている原因を取り除き、安全で平穏な社会の訪れを強く願っています。ここまで事態が悪化すると当事者同士での解決は難しく、人々の願いに応えられるのは第三者である国際社会でしょう。そして国際社会を動かす力は世界中の市民がこの問題に関心を持つことにあります。日本人の間で関心が少しでも高まるよう、私はあらゆる手段でパレスチナの姿を伝え続けていこうと思っています。
2006.10.18 Wednesday
自主上映と劇場上映の全国展開始まる!     

自主上映と劇場上映の全国展開が本格的に始まった。
9日には和歌山へ、14日にはJICA東京で、16日から17日はシアター・キノの劇場上映の宣伝のために北海道へ行ってきた。
来週は念願の出身地島根で上映する予定だ。
和歌山では200人を超す人たちが集まってくれた。女性数人でやっておられるというのを聞いて感激した。どういう力があってたくさんの方々を集めることができるのだろうと思った。それも昨年、リトル・バーズ(綿井健陽監督)を上映されたのが初めてのグループだとか。ドキュメンタリー映画を観る人たちが増えているという。ほかの地域でもそうなってほしい。北海道は以前にも何度か行ったことがある。私がフォト・ジャーナリストとして始めたばかりで、市民団体の写真展について初めて北海道に行ったのが、17年前だ。そのときにお会いしたのが、今回上映してくださるシアター・キノの中島氏だった。すごく前なのに最初の印象がそのまま残っている方だ。劇場はそのころと違って新しくなっていた。札幌の繁華街にあるこぎれいな劇場だった。蟻の兵隊も上映していた。『ガーダ −パレスチナの詩−』を上映してくれたアップリンクXや北海道のシアター・キノや金沢のシネモンドなどのようにドキュメンタリー映画をどんどんやってくださるところが増えてほしいと思う。(古居みずえ)
             GAHDA BLOG  より転載


◇2006・10・19 実行委NEWS

 本日の
NHK松江放送局の「何でも告知」に実行委員会のメンバーが出演(?)しました。若干緊張気味ながらも、ポスターやフリップを持ちながら持ち時間をきちっとこなしました。毎日・朝日・読売・山陰中央新報・島根日日と各紙に掲載されたのと、このNHKのプレゼンで、映画上映会の認知度は格段と上がったのではと思います。あと、一週間です。がんばりましょう!(事務局)
2006年10月28日
島根県民会館 大会議室
映画上映会&講演会
多くの方にご来場いただき、本当にありがとうございました!

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本日「ガーダ・パレスチナの詩」上映が終了しました。多くの(200名を越す!)方にご来場いただきました。誠にありがとうございます。
 この映画を通じてまた一つ輪が増えた気がします。来年には大田での上映が企画されています。どうかよろしくお願い申し上げます。また、県内各地での上映を目指しています。地域の方で上映会を企画したい方は事務局までお知らせください。お手伝いができます。
                                                 06・10・28
 山陰中央新報 06・10・28より転載・引用 ↑
↑ 島根日日新聞 06・10・30より
   転載・引用 

「ガーダ・パレスチナの詩」松江上映実行委員会独自チラシ 
約4,500枚配布  06.09〜06.10

06/10/20 朝日新聞より転載・引用 →
朝日新聞 06・10・29より転載・引用 ↓          
◇「ガーダ・パレスチナの詩」札幌でも上映 
06.10.12 島根日日新聞より転載・引用
◇古居みずえパレスチナドキュメンタリー映画支援の会
↑ 配布したパンフレット
「ガーダ・パレスチナの詩」
06.10.07 山陰中央新報社より転載・引用 ↓
↑06.10.06 山陰中央新報社より転載・引用
2006年10月31日(火)山陰中央テレビで講演会の模様を放映予定。
時間はPM6:17分位からです。お見逃しなく。
 1948 年、島根県生まれ。アジアプレス所属。難病を患い闘病生活の後、写真展でパレスチナ問題に出会う。会社員生活にピリオドをうち、1988 年より女性やこどもたちに焦点をあて、取材活動を続けている。
 98 年からはインドネシアのアチェ自治州、2000 年にはタリバン政権下のアフガニスタンを訪れ、イスラム圏の女性たちの取材や、アフリカの子どもたちの現状を取材。特に女性たちの生きざま、そしてイスラム社会に生きる女性たちの生活を撮り続ける。
 ビデオカメラによる取材をNHK などのTV 番組に多数発表。 
著書に『インティファーダの女性たち』(彩流社)、写真集に『パレスチナ 瓦礫の中の女たち』(岩波書店)。2005 年DAYS JAPAN 審査員特別賞受賞。
古居みずえさんのプロフィール
06.09.24 毎日新聞 島根版より転載・引用